複線図とは?単線図との違いと、描く目的
単線図と複線図
配線図には「単線図」と「複線図」の2種類があります。
- 単線図:電源・スイッチ・照明・コンセントなどのつながり方(どの機器がどの機器につながるか)だけを、1本の線で表した図です。試験ではお題として与えられます。
- 複線図:実際に施工するときの電線そのものを、1本1本ぜんぶ描いた図です。どの端子にどの色の電線をつなぐかまで表します。
単線図は「間取り図」、複線図は「配線工事の設計図」とイメージすると分かりやすいでしょう。
なぜ複線図を描くのか
第二種電気工事士の技能試験では、単線図だけが提示され、受験者はそれを見て実際に器具を結線します。頭の中だけで正しい結線を組み立てるのは難しいため、まず複線図に書き起こしてから作業するのが定石です。
複線図を正しく描けるようになると、次のことが分かります。
- 必要な電線の本数(2心か3心か)
- どの端子にどの色の電線をつなぐか(極性)
- 電線の接続点(リングスリーブや差込形コネクタを使う箇所)
試験での位置づけと時間配分
- 学科試験:全50問のうち後半20問前後が配線図問題です。多くは図記号の読み取りですが、「指定箇所の最少電線本数(心線数)」「リングスリーブ(大・中・小)や差込形コネクタの必要数」などは、その場で複線図を描かないと確実には解けません。合格の目安は例年60点(年度によって調整されることがあります)で、ここで取れる数問は無視できない差になります。何問・何点分にあたるかは複線図は捨ててもいい?で実際の問題から数えています。
- 技能試験:40分の制限時間で1課題を完成させます。複線図を描くのは開始直後で、目安はおおむね5分。ここに時間をかけすぎると施工・見直しの時間が足りなくなります。逆に複線図さえ正確なら、接続方法(リングスリーブ/差込形コネクタ)・電線の色・心線の処理といった欠陥を防ぎやすくなります。ジョイントボックス内の結線ミスは一発不合格につながります。
演習量がものを言う
複線図は「やり方を知っている」だけでは本番で手が止まります。単線図を見た瞬間に複線図のイメージが浮かぶまで、繰り返し描く(または本サイトのように選ぶ)練習が効果的です。とくに3路スイッチ・4路スイッチは、単線図の線を目でたどる“近道”が通用しないため、きちんと描ける人とそうでない人で差がつきやすい分野です。基本パターンを体に入れておけば、13ある技能試験の候補問題にも応用が利きます。
複線図を描くときの基本ルール
細かい手順は複線図の描き方で説明しますが、まず押さえるべき原則は2つです。
- 接地側電線(白)は、スイッチを通さずに負荷(照明など)へ直接つなぐ。
- 非接地側電線(黒)は、スイッチを通してから負荷へつなぐ。
この2つを守るだけで、点滅回路の複線図はほぼ正しく描けます。理由は次の記事で説明します。
試験制度に関する記述は一般財団法人 電気技術者試験センターの公表情報に基づき、時間配分や学習の要点は独学合格者・実務者による解説記事を参考にまとめています。試験の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。