複線図は捨ててもいい?学科で何点分か・技能試験では捨てられない理由
「複線図が苦手なので、学科試験では捨てたい」という声はよく聞きます。結論から言うと、学科試験だけなら捨てても合格はできます。ただし、技能試験では捨てられません。どうせ技能試験で必要になるので、学科の段階で身につけておく方が得です。
実際の試験問題から、複線図が何点分にあたるのかを数えてみました。
学科試験で、複線図が必要な問題は何問?
学科試験は全50問(一般問題30問・配線図問題20問)で、1問2点の100点満点です。合格の目安は例年60点で、年度によって調整されることがあります。
令和8年度上期の配線図問題20問のうち、複線図を描かないと確実に解けない問題は次の4問でした。
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 問32 | 示された部分の最少電線本数(心線数) |
| 問41 | ボックス内の接続に使うリングスリーブの種類と最少個数 |
| 問47 | ボックス内の接続に使うリングスリーブの種類・個数と刻印 |
| 問49 | ボックス内の接続に使う差込形コネクタの種類と最少個数 |
4問×2点=8点分です。配線図問題のほかの16問は、図記号や器具の名前、工事の方法などを問うもので、複線図がなくても解けます。年度によって数は前後しますが、だいたい同じくらいの割合です。
学科で捨てた場合のリスク
8点を捨てると、残り92点のうち60点、つまり約65%を正解する必要があります。全部解く場合(60%)より、少し厳しくなります。
しかも、この4問はパターンが決まっていて、練習すれば確実に取れる問題です。図記号の暗記問題と違い、見たことのない記号が出て手が止まる、ということがほとんどありません。捨てるには惜しい問題だと言えます。
技能試験では捨てられない理由
技能試験は、13問の候補問題から1問が出て、40分で実際に配線を作る試験です。採点は減点方式ではなく、欠陥が1つでもあれば不合格です。
試験センターの「欠陥の判断基準」では、次のような誤りがそれぞれ一発で欠陥になります。
- 誤接続・誤結線(つなぐ相手を間違える)
- 電線の色別や器具の極性が、施工条件と違う(白を受金につながない、など)
- リングスリーブの選び方や刻印を間違える
どれも、複線図が正しく描けていれば防げる誤りです。複線図を描くことは義務ではありません。それでも、40分のうち最初の5分ほどで複線図を描いてから作業する受験者が多いのはこのためです。
効率よく身につける順番
複線図の原則は多くありません。次の順番で練習すると、学科の4問と技能試験の両方に効きます。
- 原則を覚える:白(接地側)は照明やコンセントへ直接、黒(非接地側)はスイッチを通す。→ 配線の色分けの解説
- 点滅回路で慣れる:スイッチ1つと照明の基本形。→ 点滅回路の練習問題
- 3路・4路スイッチ、パイロットランプへ進む:差がつきやすいところです。→ 3路スイッチ・4路スイッチ・複合回路
- 学科の4問の型を覚える:→ 電線本数の数え方・リングスリーブの選び方
- 候補問題13問の複線図を描く:技能試験の直前対策です。→ 候補問題の複線図
まとめ
- 学科試験で複線図が必要なのは、令和8年度上期で4問(8点分)。捨てても合格はできる。
- ただしパターンが決まった問題なので、練習すれば確実に取れる。捨てるのはもったいない。
- 技能試験は欠陥1つで不合格。複線図を捨てることはできない。
- どうせ必要になるので、学科の段階で身につけておくのが一番の近道。
→ テストモードで実力を確認する(ランダム10問・合否判定)
出題数と内容は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表している令和8年度上期学科試験の問題をもとに数えました。欠陥の内容は同センターの「電気工事士技能試験 欠陥の判断基準」によります。合格基準は年度によって変わることがあるため、受験年度の発表を確認してください。
よくある質問
- 学科試験で複線図を捨てても合格できますか?
- 点数の上では可能です。令和8年度上期では、複線図を描かないと確実に解けない問題は4問(8点分)でした。ただし技能試験では複線図の考え方が欠かせないので、学科の段階で身につけておく方が結果的に楽になります。
- 技能試験で複線図を描かずに作業してもいいですか?
- 複線図を描くこと自体は義務ではありません。ただし、ボックス内の接続を1か所でも間違えると欠陥(不合格)になるため、慣れていないうちは複線図を描いてから作業するのが安全です。
- 複線図はどのくらいで描けるようになりますか?
- 原則は「白は負荷へ直接」「黒はスイッチを通す」など少数です。点滅回路から始めて、3路・4路スイッチ、パイロットランプの順に練習すると、数日〜1週間ほどで基本の回路は描けるようになる人が多いです。