電線本数の数え方|配線図問題「最少電線本数(心線数)」の解き方

最終更新:2026年10月17日 最終確認:2026年10月17日

学科試験の後半にある配線図問題では、ほぼ毎回「②で示す部分の最少電線本数(心線数)は」という問題が出ます。選択肢は「3・4・5・6」のような数字です。

単線図(1本の線で配線を表した図)を見ても、その区間に何本の電線が通るかは書かれていません。複線図の考え方で、その区間に必要な電線を数えることで答えが出ます。

基本の手順:区間で切って、先にあるものを見る

  1. 問われている区間で、配線図を2つに切る。
  2. 電源と反対側(区間の先)にある器具を確認する。
  3. 次の4種類の電線が必要かどうかを、それぞれ判断する。
  4. 必要な本数を合計する。
電線 必要になる条件
白(接地側) 区間の先に、照明器具・コンセントなど電気を使う器具がある
黒(非接地側) 区間の先に、スイッチやコンセントなど電源が必要な器具がある
返り線 スイッチと、そのスイッチで点滅させる照明が、区間の両側に分かれている。スイッチ1個(点滅させる照明のグループ1つ)につき1本
旅行線 3路スイッチ・4路スイッチどうしが、区間の両側に分かれている。2本(4路スイッチの両側では計4本)

ポイントは「区間の先にある器具だけ」を見ることです。区間の手前(電源側)にある器具のための電線は、その区間を通りません。

パターン別 早見表

区間の先に「これだけがある」ときの本数です。照明は区間の手前のスイッチで点滅させるもの、スイッチは区間の手前の照明を点滅させるもの、とします。

区間の先にあるもの 本数 内訳
照明器具だけ 2 白・返り線
スイッチだけ 2 黒・返り線
コンセントだけ 2 白・黒
スイッチ+コンセント(連用) 3 白・黒・返り線
スイッチ2個(それぞれ別の照明) 3 黒・返り線×2
スイッチ3個(それぞれ別の照明) 4 黒・返り線×3
確認表示灯(同時点滅)+スイッチ 3 白・黒・返り線
3路スイッチ1個 3 0番端子への線・旅行線×2
4路スイッチ(両側に3路スイッチ) 4 旅行線×4

よくある勘違いは、照明器具だけの区間に黒を数えてしまうことです。照明器具には、スイッチを通った返り線がつながります。電源の黒が直接つながるわけではありません。

候補問題での実例

当サイトの候補問題の複線図から、本数の数え方がよくわかる区間を選びました。どれも試験の解答と照合済みです。

ボックスからスイッチ3個へ:4本(No.1)

区間の先にはスイッチ イ・ロ・ハがあり、点滅させる照明はすべて区間の手前(ボックス側)です。スイッチの電源側に黒1本(3個のスイッチの中で渡り線)、照明への返り線が3本で、合計4本です。白はスイッチに必要ないので通りません。

ボックスどうしの間:3本(No.2)

ボックス1には照明器具、ボックス2の先には確認表示灯・スイッチ・コンセントと、もう1つの照明があります。ボックス2の先へ白・黒の2本、さらにスイッチからボックス1の照明へ戻る返り線1本が必要で、合計3本です。返り線は「スイッチと照明が区間の両側に分かれている」ので、この区間を通ります。

3路スイッチのボックス間:3本(No.6)

電源側のボックスに3路スイッチの片方、もう一方のボックスに照明ともう片方の3路スイッチがあります。照明への白1本と、3路スイッチどうしの旅行線2本で、合計3本です。黒は電源側の3路スイッチ(0番端子)で止まるので、この区間を通りません。

ボックスから4路スイッチへ:4本(No.7)

4路スイッチは、両側の3路スイッチからの旅行線2本ずつを受け取ります。ボックスから4路スイッチへは旅行線が4本です。

ボックスから自動点滅器へ:2本(No.13)

自動点滅器(明るさで入・切するスイッチ)は、端子1に黒、端子2に白をつなぎます。屋外灯へは自動点滅器から直接配線するので、ボックスから自動点滅器へは白・黒の2本です。

本数の次に問われること

配線図問題では、本数のほかに次のような設問もよく出ます。どれも「接続点ごとに電線を数える」力が土台です。

  • ボックス内の接続に使うリングスリーブの種類と最少個数
  • 接続に使う差込形コネクタの種類と最少個数

リングスリーブと差込形コネクタの選び方は、リングスリーブの選び方 早見表にまとめています。

まとめ

  • 区間で切って、区間の先にある器具に必要な電線だけを数える。
  • 白は「電気を使う器具」へ、黒は「スイッチ・コンセント」へ、返り線は「スイッチと照明が分かれているとき」、旅行線は「3路・4路スイッチが分かれているとき」。
  • 照明器具だけの区間は白・返り線の2本。黒を数えないこと。

本数を数える力は、複線図を描けるかどうかで決まります。点滅回路や3路スイッチ回路の練習問題で、白・黒・返り線の流れを体で覚えておくと、本番で迷わなくなります。


出題形式は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表している学科試験の問題(令和8年度上期など)を参考にしています。本数の例は当サイトの候補問題の複線図から引用しています。

よくある質問

照明器具だけにつながる区間は何本ですか?
スイッチがその区間より電源側にあれば、照明器具に必要なのは接地側(白)と、スイッチから戻ってくる返り線の2本です。非接地側(黒)は照明器具に直接つながないので通りません。
スイッチとコンセントが同じ場所(連用)にあると何本ですか?
コンセントに白と黒、スイッチに黒と返り線が必要です。黒はスイッチとコンセントで共用(器具の中で渡り線)できるので、白・黒・返り線の3本です。
3路スイッチの区間はなぜ3本になるのですか?
3路スイッチの0番端子につながる線(電源の黒または照明への返り線)1本と、もう一方の3路スイッチとの間をつなぐ旅行線2本が必要だからです。

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